株式投資で一番難しいのは、どの銘柄に投資するかということではないでしょうか。難しいから面白いとも言えますが、銘柄選定を間違えると大変なことになりますから慎重になります。私は投資は長期視点でというスタンスです。長期投資の場合は、どんな方法で銘柄を選ぶのがいいのでしょうか。今回は、私の経験上どのように銘柄選定をしているかということをお話しします。
銘柄選定の4つの基準
長期投資を基本にする私の銘柄選定は、主に以下の4つの基準で行なっています。
- 3年以上増収増益を継続していること
- 割安であること
- ROEが高いこと
- 営業キャッシュフローがプラスになっていること
まず私が重視しているのが成長性と収益性です。何と言っても長期投資では、その会社が伸びているか、儲かっているか、ということが基本です。私は3年以上増収増益を継続していることを条件に銘柄を選んでいます。
次の基準は割安であることです。その銘柄が割安かどうかはPER(株価収益率)を見ればわかります。私の基準ではPER15倍以下をめどに選定しています。ただし成長株を選ぶ場合は、例外的にPER15倍を超える銘柄を選定することもあります。急激に伸びている会社は、基本的にPERが高くなる傾向があります。
PERとは、株価が1株当たりの利益の何倍になっているのかを表したもので、数字が大きければ割高、数字が小さければ割安です。
出典:SBI証券ホームページ
次にROE(株主資本利益率)を確認します。ROEについては15%以上をめどに選んでいます。またROEに加えて、増配が続いている会社であればまずOKです。
1株あたりの利益を1株あたりの株主資本で割った数値を100倍したものが「ROE」(アール・オー・イーと読みます)です。日本語では「株主資本利益率」といいますが、文字通り株主が提供した資金に対して、どれだけの利益を上げたかという指標です。資本の効率性を判断する指標となります。
出典:SBI証券ホームページ
そして最後は、営業キャッシュフローがプラスになっていることを確認します。営業キャッシュフローがプラスになっているということは、本業でしっかりとキャッシュが回っていることを意味します。資金繰りがうまく行っていないと倒産のリスクもありますので、こちらも要チェックの項目です。
具体的な銘柄選定のプロセス
それでは、4つの選定基準チェックを含めた銘柄選定の具体的なプロセスを説明します。基本的には以下の3つのステップで行います。
- 一般情報からスクリーニングする
- 4つの銘柄選定基準をチェックする
- 株価が下がるまで待つ
最初のステップは一般情報から銘柄を選定します。私のパターンとして多いのが、投資ブロガーの推薦銘柄から選ぶものです。また、雑誌やインターネットから興味のある銘柄を選ぶ場合もあります。「人の選んだ銘柄はちょっと・・・」という人もいますが、まずは情報を得ることが大切です。他の人の考えをまずは聞いてみましょう。
次のステップとしては、自分の目で確かめるプロセスです。前述の4つの視点で主に会社四季報などを使って銘柄を評価します。これに合格したものに対して投資します。
まず増収増益を続けているかということは、会社四季報でチェックします。最近は各企業のWebサイトのIR情報で公開されていることが多いので、そちらで確認してもいいと思います。会社四季報は表形式になっていますが、企業のIR情報は「財務ハイライト」としてグラフで示されていることが多いので、こちらを使う方がビジュアルにわかりやすいかもしれません。
次にPERは、証券会社の株価チャートに記載されていますのでこちらをチェックします。成長企業に投資しようとするとどうしてもPERが高くなってしまう傾向がありますが、これはバランスで判断します。
ROEについても、会社四季報で確認できます。先ほど15%以上とお話ししましたが、最近の私の選定銘柄は結果的に20%を超えているものが多くなっています。それだけ収益性を重視するようになったのかもしれません。営業キャッシュフローについても、会社四季報で見ることができます。
これらの条件をクリアした銘柄を選定して、証券会社のサイトでマークしておきます。
最後のステップは、株価が下落するまでひたすら待つということです。安く買って、高く売るというのが株式投資の大原則ですので、これに徹します。
会社四季報を活用しよう
これまでお話しした通り、私はかなり会社四季報を活用しています。これは個人投資家にとってもバイブルみたいなものだと言えると思います。会社の概況や財務状況をはじめ、株価や株主優待など投資に必要な様々な情報が満載です。これを活用しない手はないと思います。
会社四季報は、春夏秋冬と四半期ごとに発売されています。銘柄選定だけでなく、すでに投資している銘柄の確認にも役に立ちます。見落としていた重要な情報や今後の収益の見通しなどが四半期ごとに提供されますので、私は投資している銘柄についてもこの情報を活用しています。
また、一部の証券会社では、口座を持てば会社四季報の情報を見ることができます。私はメインをSBI証券、サブとして楽天証券の口座を持っていますが、両方とも会社四季報の情報が見られます。書店で買うと一冊2,000円以上しますので、四半期ごとに買うと1万円近くになります。その意味では、会社四季報の情報が見られる証券会社に口座を作るのが一番お得かもしれません。
まとめ
今回は、私の経験から株式投資銘柄の選定基準、その選定基準に沿ったスクリーニングのプロセス、そして会社四季報の活用についてお話ししました。全てが皆さんに当てはまるとは思いませんし、私の場合は長期投資を前提にしていますので、デイトレードやスイングトレードの人には向かない方法かもしれません。
しかし私個人はあくまでも長期投資スタンスですので、同様な考えをお持ちの方は参考にしていただけると幸いです。
今日はこれくらいにしておきましょう。ではまた。
当ブログで取り上げる銘柄や投信などの評価は、あくまでも当ブログの個人的な考えによるものです。従いまして、個別の銘柄の購入などを推奨するものではありません。株式や投信への投資は自己責任で行っていただくようお願いいたします。
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