日本型雇用システムの限界

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日本型雇用システムの限界 スキルアップ

最近話題になっているテーマの一つに、日本型雇用の限界というものがあります。これまで何十年と続いて来た、「一括採用、終身雇用、年功序列」が崩れ始めています。今回はこの件についてお話ししたいと思います。

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日本独自の雇用システムとはどんなものか

日本独自の雇用システムとはどんなものか

先ほどもご紹介した通り、我々日本人ビジネスパーソンが当たり前だと考えている「一括採用、終身雇用、年功序列」は日本独自のものです。欧米にはこのようなモデルは存在しません。

一括採用

毎年4月になると、初々しい新入社員が街の中を歩いています。皆、同じような色のスーツを着て、髪型も整っています。学生時代に着ていたファッショナブルな洋服を捨て、茶髪も落として会社に出勤してきます。

そして会社によっては数百人の新入社員が一箇所に集められて、入社式や新入社員研修に参加します。この世界では、皆同じような教育を受け、徐々に会社の文化に染まってゆきます。スキルや能力に関わらず、給与も皆同じ額をもらっています。

終身雇用

一度会社に就職すると、基本的には定年を迎えるまで雇用が保証されます。よほど悪いことをしない限りはクビになることも無く、60歳まで会社に居続けることができます。

最近では早期退職という名の下リストラが行われることもありますが、会社からのプレッシャに耐え続ければ、辞めずに会社に残ることも可能になります。

その結果として労働市場の流動性が低くなり、一度会社を辞めると次の仕事を見つけるのが難しくなります。

年功序列

会社では年上の(勤続年数が長い)人ほど多くの給料をもらい、ヒラ社員から主任、係長、課長、部長と役付きになってゆきます。ここでは能力やスキルよりも社内調整能力を評価されることが多く、その能力に長けた人が出世するケースが多くなります。

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日本の経済成長時期にマッチしていた雇用システム

日本の経済成長時期にマッチしていた雇用システム

日本は戦後、著しい経済成長を遂げました。そのような環境では、働けば働いただけ給与も伸びていました。「一括採用、終身雇用、年功序列」は、そんな経済成長時期にはとても都合の良い仕組みだったのです。

とにかく大量に一括採用をして、仕事を覚えさせます。使い物になるまでには多少の時間はかかりますが、終身雇用というニンジンをぶら下げて、それこそ馬車馬のように働かせれば良いのです。そして頑張った人には役職を付けて、さらに給料を上げることにより働く意欲を掻き立てます。

経済成長が続く環境においては、企業にとってもビジネスパーソンにとっても、この日本型雇用システムはとてもメリットの多い仕組みだったわけです。

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バブル崩壊から歯車が狂い始めた

バブル崩壊から歯車が狂い始めた

しかし1990年代にバブルが崩壊すると、経済成長は止まり、給料も伸びなくなりました。しかし一方で日本型の雇用システムはそのまま残っているため、企業にとってもビジネスパーソンにとっても徐々にデメリットが目立つようになってきました。

企業にとってのデメリット

一括採用を継続していると、社員がどんどん増えてゆきます。そうすると人件費という固定費が大きくなり、企業にとってはとてつもない負担がかかるようになってきました。そのため、企業は固定費ではなく変動費になる非正規社員を多く雇うようになってきました。

終身雇用も上記と同様なデメリットがあります。企業は定年までは雇用を保証しなければならないため、容易に社員をクビにすることはできません。その結果、人件費が上がっていくのです。そのため早期退職制度のようなリストラ策を打ち出し、人件費の削減に取り組むようになりました。

年功序列では、年上の人ほど給料が高い仕組みになります。そうすると、前述のように早期退職制度などを使って50代社員の人員整理を始めたのです。

ビジネスパーソンにとってのデメリット

これは一言で言うと、給料が上がらないという問題に尽きます。以前にも「生活が苦しいと多くの人が感じている」という記事でご紹介した通り、日本人の給料は年々下がり続けています。これは先進国な中では特異な事例です。

出典:厚生労働省「平成30年 国民生活基礎調査の概況」

かつては働けば働いただけ給料が伸びた時代もありましたが、失われた30年では、働いても働いても給与が伸びないという世界になってしまったのです。むしろ、給与水準は下がり続けているという実態があるのです。

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企業もビジネスパーソンも考え方の転換を求められている

企業もビジネスパーソンも考え方の転換を求められている

今後は、これまでよしとされてきた日本独自の雇用システムが崩れて、どんどん欧米的な働き方が求められてくると思います。これは、良い悪いは別にしてもやむを得ない状況だろうと思います。

一部の企業ではすでにこのような動きが始まっており、職能給から職務給への転換が進みつつあります。これは従来のように年功序列で給料が決まるのではなく、その人のスキルや経験によって給料が決まるという仕組みです。

これは企業も、我々ビジネスパーソンも考え方の転換を求められていると言えるでしょう。企業としては、これまでの日本型雇用システムをいつまで続けるのか、ということを真剣に考えなければいけません。ただ一方で、一企業だけでこのような転換ができるとは思いません。労働市場の流動化など、国をあげて取り組まなければいけない課題も山積しています。

ただ、企業から企業へとこのような考え方が広がってゆけば、自ずと日本自体が変わってゆくのではないでしょうか。

我々ビジネスパーソンも、大きく考え方を変えなければいけません。これまでのように国や会社が自分を守ってくれる時代は終わったと思った方が良いでしょう。このブログでも何度となくお伝えしている通り、「自律」が求められる時代になってしまったのです。

ただし、ネガティブに捉える必要は全くないと思います。むしろこの変化をチャンスだと考え、自分の新しいスキルを磨いたり、コミュニケーション能力を付けたりする努力を開始すればいいのです。

今日はこれくらいにしておきましょう。ではまた。

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コメント

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