最近、副業の話題が多くなってきました。今回は、企業に勤めるビジネスパーソンの副業について考えてみたいと思います。
副業が話題になったきっかけ
副業が話題になったきっかけは、厚生労働省が2019年3月に行なったモデル就業規則の改定です。従業員が10人以上の企業は、就業規則を作成して厚生労働省に届け出る必要があります。モデル就業規則とは、企業が就業規則を作成するために参考とするものです。
それでは、改定されたモデル就業規則を見てみましょう。
(副業・兼業)
出典:厚生労働省「モデル就業規則」
第68条 労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる。
2 労働者は、前項の業務に従事するにあたっては、事前に、会社に所定の届出を行うものとする。
3 第1項の業務に従事することにより、次の各号のいずれかに該当する場合には、会社は、これを禁止又は制限することができる。
① 労務提供上の支障がある場合
② 企業秘密が漏洩する場合
③ 会社の名誉や信用を損なう行為や、信頼関係を破壊する行為がある場合
④ 競業により、企業の利益を害する場合
モデル就業規則の第68条第1項で、明確に従業員の副業を認めています。これ以前のモデル就業規則では、副業を禁止することがうたわれていました。第2項では、会社に届出をする必要性を言っています。第3項では、禁止・制限事項を例示しています。
国も企業も副業を認める方向になっており、このモデル就業規則がきっかけで、徐々に就業規則が改定されて副業を認める企業が出始めているのです。
副業にはどのような形態があるか
それでは、副業にはどのような形態があるか見てみましょう。
これまで副業と言うと、会社に隠れてこっそりと行うイメージを持っている人が多いかもしれません。副業の形態としては、夜間や休日にコンビニでバイトをしたり、レストランなどの飲食店で働いたりするというケースが多かったのではないでしょうか。
つまり、会社から帰ってから、もしくは土日の休日などに本業とは全く関係のない仕事に就くというものです。とにかく生活費の足しにするために、お金を稼ぐという目的が多かったのではないでしょうか。生活費が足りないというのは深刻な問題ですから、会社が副業を禁止していてもこっそりと行わざるを得ないという人もいたかもしれません。なんとなく、暗く後ろめたいイメージがあったのではないでしょうか。
また、これまでの副業は単純作業が多いことや生活費のために働いているというケースが多いため、働きがいを感じにくいと言えるでしょう。
一方で最近増えている副業は、本業の知識や経験を生かす仕事です。これまでのように本業と全く関係のない仕事ではなく、自分が会社で行なっている業務に近いことを副業として行うということです。例えば本業で経理を担当している人なら、他社と業務委託契約を結んで経理業務の改善のためのコンサルティングを行なったりするようなケースです。
このケースでは、単純作業ではなく自分の持っている知識や経験を生かして他の企業の役に立つことができますから、働きがいを感じることが多いかもしれません。
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次に副業のメリットとデメリットについて考えてみたいと思います。
副業のメリット
- 本業に加えて副業でも収入を得ることができる
- 新たな知識や経験を得ることができる
- 会社外で働くことにより広い視野を持つことができる
1については、明らかですね。本業にプラスするわけですから、収入が増えます。
2については、仕事の内容にもよりますが、新しい職種を選ぶとすれば自分の知識や経験の幅を広げることができます。
3については、会社の閉じた世界で働いているよりも多くの経験ができます。これにより、会社を外から見ることができ、自分のキャリア形成という観点で確実にプラスになると思います。
副業のデメリット
- 就業時間に制約がある
- 長時間労働により健康を害するリスクがある
- 会社の就業規則違反となるリスクがある
1については、今働いている会社の就業時間中に副業をすることはできませんから、終業後や休日に副業をすることになります。これは、時間的な制約を大いに受けるということになります。
2については、1とも関連するデメリットです。本業に加えて夜間や休日に働くことになると、どうしても長時間労働になってしまいます。その結果、心身の健康に影響を与えてしまうリスクを孕んでいます。
3については、副業内容が働いている会社の就業規則に違反していないかの確認が必要です。特に注意しなければいけないのが、競業忌避と情報漏洩です。副業を認めている会社でも、この2つは必ず禁止しているはずです。
まとめ
さて、今回は副業について色々と考えてみました。。副業が話題になったきっかけ、副業の形態、そして副業のメリット・デメリットについても考えて来ました。
厚生労働省のモデル就業規則にある通り、これからは副業が許可される時代になりました。企業における副業の仕組みはまだまだ未熟なところがあります。しかし将来に向けた大きな可能性も秘めています。
我々ビジネスパーソンはこの機会をうまく活用して、自分の新しい知識や経験を広げるようになれると良いと思っています。副業のメリットとデメリットをしっかりと理解して、新しい世界に飛び込んで見るのも良いのではないでしょうか。
今日はこれくらいにしておきましょう。ではまた。
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