大リストラ時代に備える

スポンサーリンク
大リストラ時代に備える スキルアップ

リストラ・・・ビジネスパーソンにとってはあまり響のいい言葉ではありませんね。かつては、このリストラという言葉は、傾きかけた会社の業績を回復するための手段として使われてきました。しかし最近、業績が好調な企業においてリストラを実施する例が増えています。これはなぜでしょうか。今回は、この件について考えてみたいと思います。

スポンサーリンク

好業績なのにリストラするのはなぜか

かつては、業績不振な企業がV字回復をするための手段としてリストラが用いられてきました。しかし最近では、業績がよいにも関わらず早期・希望退職を募集する企業が増えています。日経新聞の記事によれば、2019年に早期・希望退職を実施した上場企業35社のうち、最終損益が黒字だった企業が約6割にも及ぶとのことです。

これは一言で言うと、日本企業が欧米企業のようになろうとしているからです。つまり、長く続いてきた一括採用、終身雇用、年功序列という「日本型雇用システム」を変えてゆこうとしていることに他なりません。これから企業は、日本型雇用システムにこだわらず、新しい雇用形態を探ってゆく必要性に迫られていると言えます。

日本型雇用システムについては、以下の記事をご覧ください。

さらに言うと、好業績企業がリストラをするのは、業績がよいうちに賃金の高い40代以上の社員を削減して、その他の施策に利用する資金を生み出すということなのです。その他の施策というのは以下のようなことが考えられます。

  1. DX(デジタルトランスフォーメーション)への投資を増やす
  2. 若くて優秀な社員を獲得する

DX(デジタルトランスフォーメーション)への投資を増やす

DXを実施するためには、企業にとって多大な投資が必要になります。このための資金をどこかから工面しなければなりません。DXで代表的なものは、AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)が知られています。これらの施策では、デジタルが人にとって代わると考えられています。(あまりにも短絡的なため、私ははこの考えには反対ですが。)

AIが発達すれば人が必要なくなる、あるいはIoTによって今まで人が行ってきたことがデジタルでできるようになる。これが企業が考えているシナリオです。このため、人を削減してDXに投資したいという考え方はある意味当然だろうと思います。各メガバンクがRPA(ロボットによるプロセス自動化)によって人員削減をする、というのは典型的な例かもしれません。

若くて優秀な社員を獲得する

日本は人手不足です。特に優秀な若手社員は喉から手が出るほど欲しいのです。最近では、某IT系の企業がAI技術者は新卒であっても年収1,000万円を保証するということが話題になりました。

このように若手社員を確保するために、やはり賃金の高い中高年は削減したいというのが企業の本音です。ですから、業績がいい時に40代以上の社員のリストラを実施する企業が増えているのだろうと思います。

スポンサーリンク

同一賃金同一労働もきっかけの一つ

同一賃金同一労働もきっかけの一つ

2020年4月からは「同一賃金同一労働」が義務化されます。一般的には、非正規雇用の人の給与を同じ仕事をしている正規雇用の人と同じ給与レベルに上げると考えられています。つまり格差是正という考え方です。労働者の視点では、とてもいい事のように見えます。

この考え方はもちろん正しいのですが、企業の視点で見ると、給与の原資が限られる中でどのように非正規雇用の人の給与を上げるか、ということが喫緊の課題になっているのです。

つまり、非正規雇用の人の給与を上げるために、「成果を上げていない人」の人件費を削減する必要があるのです。このために、40代以上の成果を上げていない人をリストラしてゆくというのは、自然な流れではないかと考えられます。

スポンサーリンク

リストラに備えるためにはどうすればいいか

リストラに備えるためにはどうすればいいか

さて、これまで述べてきた通り、今後このような中高年のリストラというのはますます加速すると考えていいでしょう。まさに、大リストラ時代が到来するかもしれません。

ただ、私自身はあまりネガティブには捉えていません。その理由は簡単です。これらのリストラは欧米では普通に行われているからです。先ほどから繰り返し「成果を出していない人」と言っていますが、欧米ではこのような人はリストラの対象になります。

ただし条件があります。それは、日本においても労働市場の流動性が高まる、ということです。つまり中高年が会社をリストラされても、また新しい職に就くことができることが必要になります。

日本が欧米のように変わってゆくための移行期だろうと考えています。何でも欧米式がいいとは言いませんが、このように各企業がグローバルな市場で戦わなければいけないという現実を踏まえると、どうしても欧米型の考え方に合わせてゆくことが求められるでしょう。

私たちビジネスパーソンが備えておかなければいけないことは、「成果を出せる人」になるということです。つまりリストラされても、他の仕事に就くような実力を備えるということなのです。

特に40代以上の人は、なんとなくマネージャになってしまったという人も多いのではないかと思います。それだけでは、「成果を出していない人」になってしまう可能性があります。何か一つでいいので、他の人には絶対に負けないという専門性を身に付けていただきたいと思います。

国や会社は面倒を見てくれません。しっかりと自律して、リストラされても平気なような実力を付けてゆきましょう。

今日はこれくらいにしておきましょう。ではまた。

ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村

人気ブログランキング

コメント

タイトルとURLをコピーしました