日本人の「気合い」は世界に通用するか

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日本人の「気合い」は世界に通用するか 働き方

グローバル化が言われるようになって久しいですが、いまだに欧米人が理解できないのは、日本人がよく言う「頑張る」ということです。その中でも「気合い」というのは、欧米人には理解不能な単語ではないでしょうか。今回は日本人の「気合い」が世界に通用するのかどうかについて考えてみたいと思います。

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2020年に東京で開催されるオリンピック・パラリンピック

2020年に東京で開催されるオリンピック・パラリンピック

楽しみにしている人も多いと思いますが、2020年には東京でオリンピック・パラリンピックが開催されます。日本人アスリートも今、最後の追い込みに入っていると思います。日本の代表として大舞台で活躍したいというのは誰もが思っていることでしょう。

日本人アスリートがインタビューを受けている時によく聞くセリフとして、「2020年に向けて頑張ります。」や「東京で開催される大会ですので、気合いを入れていきます。」というものがあります。

ただ、この「頑張る」とか「気合いを入れる」というのはなかなか欧米人には理解できないものなのです。これらの日本語を英語で表現するのはとても難しいと思っています。

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「頑張る」「気合いを入れる」は外国人に理解できるか

「頑張る」「気合いを入れる」は外国人に理解できるか

ちなみにGoogle翻訳で検索してみると、以下のような表現が出てきました。

頑張る:Do my best
気合いを入れる:Get excited

Do my bestは日本人としてはよく使う表現ですから、何となく理解できるような気がしますが、欧米人からみると「最善を尽くす」ということになります。これは結果にコミットするというよりは、努力目標のように捉えられる可能性があります。ちょっと逃げている感じですね。

また「気合いを入れる」のGet excitedは、欧米人から見ると「ワクワクする」という意味に捉えられるでしょう。日本人が言う「(悲壮感を込めて)気合いを入れる」というよりは、「楽しむ」という意味合いの方が強いと思います。

いずれの表現も何となくしっくりこない気がします。これは「頑張る」とか「気合いを入れる」というのが日本独特の文化だからではないかと私は考えています。

日本人の「頑張る」働き方が外国人にどのように映っているかは、以下の記事を参考にしてみてください。

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気合いは日本独自の文化か

気合いは日本独自の文化か

少し古い話になりますが、旧日本海軍には「精神注入棒」というものが存在していたそうです。これは太い丸太で、旧日本海軍ではこれを使って人を叩くことにより、「精神を注入」していたということなのです。まさに「気合いを入れる」ということです。

太平洋戦争も後半になると、日本の劣勢が明らかになってきており国をあげて戦うことが求められていた時代です。民間人も多く徴兵されていました。普通の人たちを軍人に変えてゆく必要があったため、おそらくこの精神注入棒で「軍人の精神を注入」していたのだろうと推察します。

これを聞いて「それは昔の話でしょ」と笑う人も多いと思います。しかしよく考えてみてください。特にスポーツの世界では、いまだにこれに近いようなことが実際に行われているのです。

例えば高校野球の丸刈り頭。丸刈り頭を望んでいない人に対しても無理やり強要するというものです。これは「高校生らしい精神を注入する」、という意味で行われているのだと思います。丸刈り頭を望んでいない人にとっては、これは苦痛以外何物でもありません。

野球で言うと、「ケツバット」というものもありました。これは、エラーやミスをした選手のお尻をバットで殴るというものです。今では流石にやっていないのかもしれませんが、「気合いを入れる」ことの事例でしょう。また、うさぎ跳びで階段を登る、といったシゴキもかつては行われていたことがあります。

このようにスポーツの世界では、気合いを入れるということが多く行われてきました。最近では、このような事例は流石に減っていると理解していますが、似たようなことはまだ現場では起きているかもしれません。

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ビジネスの世界でも気合いを入れる

ビジネスの世界でも気合いを入れる

スポーツの事例を見てきましたが、ビジネスの世界でもこのように気合いを入れるということが行われるケースがあります。

例えば営業現場の朝礼で、「目標必達」などと部長がゲキを飛ばす。少し成績の悪い人がいると、名指しで「もっと気合いを入れろ」などと言われたりすることはありませんか?このような事例は、あまり科学的とは言えません。

また太平洋戦争の話に戻って恐縮ですが、日本の敗色が濃厚になってきてからというもの、「竹槍で戦う」、「鬼畜米英」などということが平気で言われていました。これもかなりの精神論です。何の科学的根拠もありません。

一方、太平洋戦争当時のアメリカ軍は高性能なレーダーを使い、戦略的な作戦を立てて、日本に向かってきました。事実に基づく科学的なアプローチです。もともと戦力には大きな差があったのですから、どちらが勝つかは火を見るよりも明らかです。

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日本の戦後成長を支えたもの

日本の戦後成長を支えたもの

一方、日本は太平洋戦争に敗れた後、数十年間で驚異的な経済成長を遂げました。この時代、おそらく多くの日本人が「気合いを入れて頑張った」結果だろうと思います。これは私も否定しません。特に現場力というのは日本の経済成長を支えたポイントだろうと思います。製造現場での原価低減活動や、営業現場での夜の接待などなど。現場の人たちの苦労が、日本経済の成長のキーであったことは明らかです。

ただ、この時代は日本全体が成長過程にあり、働けば働いただけ成長が望めるという世の中でした。日本では、この時の成功体験が抜け切れていないのではないでしょうか。21世紀を迎え、日本は失われた30年という未曾有の苦しい時期を過ごしています。こんな時代を、従来のような「気合い」だけで乗り切れるでしょうか。答えはNoです。

製造現場では、QC活動などで生産品質を上げ、生産コストを下げてきました。大きな成果を上げてきています。しかし残念ながら、現場の力=部分最適になってしまっているような気がするのです。

将来、明らかに日本市場は縮小します。したがって、世界中の市場に向けた活動が必要になります。このようにグローバル化を進めなければいけない日本にとって、部分最適を追い求めるだけでいいでしょうか。

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欧米の超優良グローバル企業が行なっていること

欧米の超優良グローバル企業が行なっていること

昨今、優良企業と言われるグローバル企業が行なっていることは、事実に基づいた科学的なアプローチです。常に全体最適の視点で会社にとって何が必要なのかを考え、その課題を解決するために世界で通用するベストプラクティスを導入することです。

日本は現場力がとても強い国です。前述のように製造や営業現場は日本の戦後成長を支えてきました。みんなで話し合って、より良い結果を求めてゆく。つまりボトムアップのアプローチです。言い方を変えると、その工場やその部門だけがよくなる部分最適です。一方、欧米のグローバル企業ではトップダウンのアプローチです。これは、会社全体のことを考える全体最適です。

ボトムアップは現場に根付くというメリットもありますが、それまでに時間がかかるというデメリットがあります。トップダウンは現場に根付かせるにはパワーが必要ですが、スピードは速いです。

今の時代、スピードが求められている時代です。意思決定をするのに時間がかかっていたら、他の企業に置いていかれる恐れがあります。スピード感をもって物事を決めて、すぐに実施する。まさにトップダウンのアプローチが求められている世の中なのです。つまり強力なトップのリーダーシップが求められているのです。

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まとめ

さて、これまで日本特有の「気合い」について考えてきました。また欧米とのアプローチの違いについても触れてきました。まとめると以下のようになると思います。

カテゴリーこれまでの日本の成功体験これからの日本に必要なもの
アプローチ「気合い」「頑張る」といった
精神論的なアプローチ
事実に基づく科学的なアプローチ
必要な力製造や営業の現場力トップのリーダーシップ
物事の決め方話し合いによる合議スピード感のある意思決定

今日はこれくらいにしておきましょう。ではまた。

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