週休3日の実現 マイクロソフトの働き方改革

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週休3日の実現 マイクロソフトの働き方改革 働き方

2019年に発表された働き方改革関連のニュースのうち、マイクロソフトの週休3日のニュースは最も衝撃的なものの一つだったと思います。マイクロソフトはこの取り組みを振り返っていますので、今回はその内容をお話ししたいと思います。

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マイクロソフト 働き方改革の取り組み内容

マイクロソフト 働き方改革の取り組み内容

まず最初にマイクロソフトの働き方改革の取り組み内容について見てゆきましょう。マイクロソフトでは、「ワークライフチョイス チャレンジ 2019 夏」と銘打って、2019年の夏に以下の2つの取り組みを行いました。

「ワークライフチョイス チャレンジ 2019 夏」では、以下の取り組みを実施しました。
1. ワークライフチョイス推進の「機会」の提供:週勤 4 日 & 週休 3 日制トライアルの実施
2019 年 8 月の全ての金曜日(2 日、9 日、16 日、23 日、30 日)を休業日としました。
正社員は特別有給休暇を取得し、全オフィスをクローズしました。
2. ワークライフチョイス推進の「実践」の支援:ワークライフチョイス社員支援プログラムの実施
「For Work : 自己成長と学び」「For Life : 私生活やファミリーケア」「For Society : 社会参加や地域貢献」の 3 つの視点で、自己啓発関連費用や家族旅行費用、社会貢献活動費用等の補助などの支援プログラムを実施しました。

出典:マイクロソフトWebサイト

1点目は2019年8月の全ての金曜日を休日にしました。これで8月は全て週休3日になるわけです。2点目は社員支援プログラムとして、自己啓発、家族旅行、社会貢献などの費用の補助を行うというものです。

ニュースでは週休3日の方が大きく取り上げられたためこちらが目立っていますが、実は2点目も画期的な内容だと思います。日本の多くの企業の場合、8月にはお盆休みがあり多いところでは1週間程度の休みを設定しています。マイクロソフトは外資系のため、全社一斉のお盆休みはありません。そのため、毎週金曜が休みで週休3日になると言っても、お盆休みのある他の企業とあまり変わらないのです。私が休みの多さより社員支援プログラムが画期的である、と思った理由はここにあります。

2点目では、ワークライフチョイス推進ということで、会社が費用の補助をするということです。これは”全社員が「短い時間で働き、よく休み、よく学ぶ」ことにチャレンジし、生産性や創造性のさらなる向上を目指すこと”を目的にしています。つまりよく休むこと、よく学ぶことに対して会社がその支援をするという一環になるのです。

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マイクロソフト 働き方改革の成果はどうだったのか

マイクロソフト 働き方改革の成果はどうだったのか

それでは、このマイクロソフトの取り組み結果はどうだったのでしょうか。2019年10月にその結果を公表しました。その中でマイクロソフトは「削減」、「向上」、「満足」という3つの視点で評価しています。いずれも効果は大きかったという評価になっています。

[削減]
2019 年 8 月の就業日数:-25.4%(2018 年 8 月との比較)
2019 年 8 月の印刷枚数:-58.7%(2016 年 8 月との比較)
2019 年 8 月の電力消費量:-23.1%(2016 年 8 月との比較)


[向上]
2019 年 8 月の ”30分会議” 実施比率:+46%(2018 年 8 月との比較)
2019年8月の ”リモート会議” 実施比率:+21%(2019 年 4 月 ~ 6 月との比較)
2019 年 8 月の一日あたりネットワーク数(人財交流):+10%(2018 年 8 月との比較)


[満足] 社員へのアンケート結果より
ワークライフチョイス チャレンジ 2019 夏の施策全体に対する評価:
評価する:94.0%、どちらでもない/評価しない:6.0%
週勤 4 日週休 3 日制度に対する評価
評価する: 92.1%、どちらでもない/評価しない:7.9%
”for Work” カテゴリ 意識/行動への変化/影響
変化や影響があった:96.5%、変化や影響が無かった:3.5%
”for Life” カテゴリ 意識/行動への変化/影響
変化や影響があった:97.1%、変化や影響が無かった:2.9%
”for Society” カテゴリ 意識/行動への変化/影響
変化や影響があった:83.5%、変化や影響が無かった:16.5%

出典:マイクロソフトWebサイト

「削減」の項目で私が注目したのは、印刷枚数が前年同月に比べて58.7%減ったというものです。就業日数と消費電力はほぼ比例していますので、その通りだという理解をしましたが、印刷枚数については2つの視点で驚きました。

  1. 就業日数のほぼ倍の成果が出ていること
  2. マイクロソフトですらまだ紙をかなり印刷していたこと

1.については、かなり努力をしたということがうかがえます。一方2.については、IT企業の割にまだ紙の印刷を行なっていたということに対する驚きです。世の中はかなりペーパーレス化が進んでおり、紙への依存度が下がっていると思っていました。この点、マイクロソフトは少し遅れていたのかもしれません。

「向上」の項目で注目したいのは、何と言っても 「30分会議」 実施比率です。この数値が前年同月よりも5割程度増えているというのが素晴らしいと思いました。ご存知の通り、会社における会議は働き方改革で最もメスを入れるべきものの一つです。

世の中、一般的に「会議は1時間単位」という暗黙の了解があるように感じています。会議を30分で終える事ができれば、生産性は2倍になります。これを徹底したというのはマイクロソフトのすごいところだと思います。

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マイクロソフトが会議時間を減らすために実施したこと

マイクロソフトが会議時間を減らすために実施したこと

30分会議の徹底というのは素晴らしいと思いますが、マイクロソフトはその実現のために何を実施したのでしょうか。

出典:マイクロソフトWebサイト

会議時間を30分にするとともに、人数は5人以内というルールを決めています。確かにこれ以上参加者が増えると、まともな議論ができなくなります。5人というのは絶妙な数だと思いました。これについては、他の企業も見習うべき点でしょう。

また、「コラボはTeams活用」というのがあります。Teamsというのは、マイクロソフトが提供しているコラボレーションツールのことで、複数の人がチャット、Web会議、資料の共有ができるといった機能を備えています。皆さんの会社でも使っている人は多いと思います。

いちいち会議室に集まらなくても、Teamsを使って必要な人がチャットで会話をしたり、Web会議でリモート打ち合わせをしたり、資料の共有をしたりできます。これにより、圧倒的に生産性を上げることができます。

マイクロソフトがこの発表をしたのも、明らかに半分は自社製品の宣伝です。しかしながら、これを徹底して成果を出すというところがマイクロソフトの強みです。また、先ほどは触れませんでしたが、今回の働き方改革の取り組みのもう一つの目的として、「検証結果を公開することで、法人のお客様の働き方改革のご参考にしていただくこと」があります。自社でしっかりと実施、検証を行うことで、マイクロソフトのツールやそのツールを活用した取り組みが正しいものであることを顧客に見せてゆくという効果も狙っているのです。まさに一石二鳥です。

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マイクロソフト 働き方改革の社員の反応

最後に、実際にマイクロソフトで働いている社員の反応について触れたいと思います。今回の発表の中には社員へのアンケート結果も含まれています。その中で私が興味を持ったのは、以下のアンケート結果です。

出典:マイクロソフトWebサイト

今回の取り組みに対して、マイクロソフトの社員のフリーコメントをまとめたものです。全体の33.2%の社員が取り組みに対してポジティブな評価をしています。これは当然の結果と言えるでしょう。

私が注目したのは、自分の意識や行動に関する「変化/気づき」と、取り組みに対する「提言/要望」が合計で56.2%もあったという点です。実に半分以上の社員が今回の取り組みで何かしらの変化を感じ、何かしらの提言をしていることです。これはとても重要なポイントだと私は思います。

このブログのテーマである「自律した働き方」というものを、マイクロソフトの社員がしっかりと実践しているように感じました。今後、日本企業もマイクロソフトのように「短い時間で働き、よく休み、よく学ぶ」というマインドセットを持たないといけないのではないでしょうか。

今日はこれくらいにしておきましょう。ではまた。

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