なぜ欧米人は長く休めるのか

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働き方

お盆休みも終わり、皆さん職場に復帰してきていると思います。出かけた人は、車の渋滞や満員の電車でお疲れの人も多いと想像します。日本では休みが集中して、どこも混雑しています。また、忙しくてお盆休みどころではないという人もいたかもしれません。

一方、欧米では長い夏休みを取るのが基本です。サマーバケーションと称して最低でも1週間、長い人は3週間から1ヶ月という人もいます。私の同僚の外国人も、お盆明けに約1ヶ月ぶりに会社に出てきました。では、なぜ欧米人はこんなに長い休みを取れるのでしょうか。今回は、日本人と欧米人との違いについて考えたいと思います。

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日本人の生産性は低い

日本人の生産性は低い

最初に結論を言ってしまいます。欧米人は生産性が高いので、長い休みを取れるのです。何のこと?と思う人もいるでしょうから、ちょっと説明していきます。

まず最初に、労働生産性というものを見ていきましょう。日本生産性本部がまとめた「労働生産性の国際比較2018」というレポートがあります。その要約には、「日本の時間当たり労働生産性は47.5ドルで、OECD加盟36カ国中20位。 」、「日本の1人当たり労働生産性は、84,027ドル。OECD加盟36カ国中21位。 」という表記があります。つまり他のOECD加盟国に比べて、日本の生産性は低いということが書いてあります。以下のグラフをご覧ください。

OECD加盟国の労働生産性
日本生産性本部「労働生産性の国際比較2018」より引用

これはOECDに加盟している36か国の、就業者1人あたりの労働生産性を比較したグラフです。なお、このレポートの「労働生産性」の定義は、GDPを就業者数(または就業者数 労働時間) で割ったものです。上位にはヨーロッパ各国やアメリカが並んでいます。日本は21位です。日本はドイツよりも約16%、アメリカよりも約34%低く、1位のアイルランドと比べるとなんと約49%も低くなっています。つまり、日本人の生産性はアイルランド人の約半分ということになります。欧米人の生産性は高く、日本人の生産性は低いということになってしまいます。

主要先進7ヶ国の国民1人当たりGDPの順位の変遷
日本生産性本部「労働生産性の国際比較2018」より引用

上記のグラフは、「主要先進7ヶ国の国民1人当たりGDPの順位の変遷」を示しています。バブルの直後あたりまではよかったのですが、その後急激に順位を下げ、1999年からの20年は16位から19位の間をうろうろしています。やはり失われた20年ですね。かつては経済大国と言われた日本ですが、この20年間、日本人はあまり稼げていないのです。

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日本人は成果を出していない!?

日本人は成果を出していない!?

日本生産性本部のレポートで重要なのは、GDPを生産性の指標に使っていることです。つまり、いくら稼いでいるかということです。日本人の生産性が低いということは、成果を出していない(稼いでいない)ということを意味しています。こんなに一所懸命働いているのに、「成果を出していないとは何事だ!」と怒る人もいるかもしれません。しかし、一所懸命働きすぎているからこそ成果が出ていないとも言えるのです。

前述の通り、日本生産性本部のレポートの「労働生産性」の定義は、GDP÷就業者数(または就業者数×労働時間) です。つまり、投入した労働力からどれだけの成果を得ているか(GDPを稼いでいるか)ということが生産性の基準になっています。

日本人の生産性が低いということは、GDPが伸びていないか、投入している労働力が大きいかどちらかです。2017年の内閣府の「GDPの国際比較 主要国の名目GDP」という資料によると、2005年から2017年までの主要国のGDPの伸び率は以下の通りです。

  • アメリカ 約49%
  • カナダ  約41%
  • ドイツ  約29%
  • フランス 約18%
  • イタリア 約5%
  • 英国   約4%
  • 日本   約2%

なんと先進7ヶ国の中で最低の伸び率です。過去、生産性が伸びておらずGDPも伸びていないということがわかりました。これは投入する労働力も大きい、つまり労働時間が長いということです。他の先進国の人たちは投入する労働力が小さくても成果が出せているので、長い休みが取れるということなのです。短い労働時間で大きな成果を出す、やはりこれが長く休みを取るための秘訣なのでしょう。

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生産性を向上させるための取り組み

生産性を向上させるための取り組み

それでは、日本人が長い休みを取るため、生産性を向上させるにはどうすればいいかについて考えてみたいと思います。先ほどの計算式、労働生産性=GDP÷就業者数(または就業者数×労働時間) から導き出してみます。まずはGDPを大きくすることです。そして就業者数(または就業者数×労働時間) を小さくすることです。

ビジネスパーソンの視点で、少し言い換えてみましょう。生産性=成果÷労働時間として考えてみます。生産性を向上させるためには、成果を大きくすること、労働時間を小さく(短く)することが必要ですね。

いかに短い時間で成果を出すか、ということが日本のビジネスパーソンに求められているということだと思います。まさに働き方改革です。働き方改革と言うと、「政府や会社がやっていること」と思っている人も多いのではと想像します。しかし、働き方改革と言うのは我々ビジネスパーソン自身が意識して実践しなければいけない取り組みだということです。まさにこのブログで言っている「自律」ということです。次回は、我々ビジネスパーソンができる生産性を向上させるための働き方改革の取り組みについて考えてみたいと思います。

今日はこれくらいにしておきましょう。ではまた。

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コメント

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