皆さんの中には海外勤務に興味のある人も多いと思います。ただ、これから海外で勤務したいと思っていても、期待と不安が入り混じっていてなかなか決断できない人もいるのではないでしょうか。私にはアメリカでの勤務経験があります。その経験の中で、海外勤務にはどのようなメリットとデメリットがあるのか、ということについてお話ししたいと思います。
最初にお断りしておきますが、私の海外勤務経験はアメリカでのものです。したがって、内容はアメリカでの経験談が中心になることをご承知おきください。私の経験は、ヨーロッパにもほぼ当てはまると思っています。一方で中国やアジアはかなり状況が異なっていますので、中国・アジア勤務を希望している人はご参考程度にご覧ください。
海外勤務のメリットとデメリット一覧
では最初に海外勤務のメリットとデメリットを洗い出してみましょう。
<メリット>
- 昇進への早道
- 仕事の幅が広がる
- 海外の文化を理解できる
- 英語が身につく
<デメリット>
- 日本語が通じない
- 日本とは異なる文化と接しなければならない
- 日本と比べて治安が悪い
それでは、この後それぞれのポイントについて詳しくみてゆきたいと思います。
海外勤務は昇進への早道
これは皆さんも理解できると思います。グローバルで活動している企業の場合は、海外でのビジネスを重要視します。つまり、海外でビジネスを伸ばすことがそのまま会社の業績に繋がることが多いのです。そのため、有能な人材を海外に送り込むケースが多く見られます。
日本企業の場合は、海外で実績を残せば日本に戻ってきてから重要なポストに就ける可能性が大いにあります。私の場合も(たまたまかもしれませんが)、アメリカから日本に戻ってきてから昇進してある程度のポジションに就くことができました。
海外に送り込みたい人材が有能かどうかというのは、なかなか難しい判断だと思います。ただ、それをアピールすることはできます。例えば英語を一所懸命勉強してTOEICの点数を上げるとか、海外との共同プロジェクトに参加して成果を上げるとか、努力すればある程度の成果が認められる可能性はあるのです。海外勤務を希望している人はぜひ、このような目立つアピールをしていただきたいと思っています。
海外勤務で仕事の幅を広げる
これは私の経験上はっきり言うことができます。日本と海外では、仕事のやり方が全く異なります。いい意味でも悪い意味でも成果を求められます。そのため、誰でも成果を求めて必死で働きます。この仕事のやり方を目の当たりにすることによって、自分の仕事も必然的に変えなければいけません。これは大きなチャレンジですが、身につくとすごい力になります。
また日本に本社がある企業の場合は、海外は子会社で小さい組織になることが多いと思います。日本では組織的に行なっていた仕事も、海外の場合は小さな組織で遂行しなければなりません。そのため、必然的に仕事の量が多くなります。日本では担当していなかった業務を担当することがよくあります。これも大きなチャレンジと言えますが、自分の仕事の幅を広げるという意味ではとてもいいことだと思っています。
「人は経験したことしかわからない」というのはよく言われることですが、まさに自分で経験した新しい業務は将来の糧になること間違いありません。
海外の文化を理解する
海外で生活する上でメリットとなるのは、その国の文化に触れることができるということです。毎日が新しいことの連続ですから、とても新鮮に映ります。これは異文化を学ぶという点でとても役立ちます。何事も経験ですから、海外勤務をきっかけにしてその国の文化を学べるということは大きな利点だと思います。
一方で異文化との接触は、人によってはデメリットになります。日本人ですから長年日本の文化に慣れ親しんでいるわけですが、いきなり海外勤務をすると全く知らない文化と接することになります。
これは仕事だけでなく、普段の生活でも同じことが言えます。生活する上での手続きや買い物、日本では経験したことのないことが次々と起こります。おそらく海外勤務している先輩などから「お作法」を教えてもらうことになりますが、それらはとてもストレスになります。人によってはこれが我慢できないという場合もあり、最悪のケースは日本に戻らなければならないということも起こります。海外の文化にどうしても慣れることができず、数ヶ月で日本に帰ってしまった人を私自身何人も見ました。
英語を身につける
海外勤務、特にアメリカの場合は英語を身につける絶好のチャンスになります。毎日が英語漬けですから、自然と身についてきます。また会社の仕事はもちろん日常生活でも必須ですから、覚えないわけにはいきません。私もアメリカで働いていた時には、1日中日本語に触れない日が何回もありました。ある意味、無理やり鍛えられるわけです。
会社の仕事はもちろん英語で進めます。会議は全て英語、資料やメールも全て英語です。休日も買い物や食事に出かけると全て英語で会話しなければなりません。これはポジティブに捉えると英語を学ぶ環境が整っていると言えるでしょう。
ヨーロッパで働く場合は、英国以外の国は英語がネイティブではありませんので、その国の言葉を覚えるいいチャンスでもあります。フランス、ドイツ、イタリア、スペインなど英語以外の言葉を身につけていると、ビジネスでも強みになります。
また中国で働く場合は、英語よりも中国語が必須となります。中国人の場合は英語を話せる人が少ないため、日系企業のオフィスでは日本語が公用語という会社も多くなっています。ただ日常生活を送る上では、やはり中国語が話せないと難しくなります。
一方で先ほどの異文化に触れるのと全く同じことが英語についても言えます。メリットでもありデメリットでもあるのです。英語の話せない人にとっては、日本語が通じないという生活はかなりの苦痛になります。その意味でも特にアメリカで働く場合には、ある程度英語を話せるようにしておくことをおすすめします。TOEICでいうと600点以上が目安だと思います。自分で英会話学校に通うのもよいでしょう。
CD付 一流ビジネスパーソンが無意識にやっている 英語でプレゼン・スピーチ15の法則 25のスライドタイプで鍛える!海外の治安
海外勤務する際のデメリットとして理解しておくべきことは、治安の悪さです。ほぼどの国も、日本に比べて犯罪発生率が高いのが実状です。日本でも毎日のように様々な犯罪が報道されていますが、海外に比べるとまだまだ安全な国です。
私が生活していたアメリカは、ご存知の通り銃社会です。残念なことに、銃を使った犯罪が多いのも事実です。オフィスにいる限りは極めて安全ですが、休日や夜間などで外出する際には注意が必要です。アメリカの場合は、安全な場所と危険な場所がある程度明確に区分けされています。
我々日本人が住んでいる地域は安全(安全な場所にしか住むことが許されません)ですが、数ブロック離れるとスラム街のようなところがいくつもありました。このようなスラム街は、雰囲気が違いますので一目でわかります。落書きが多いなど街全体が汚れていたり、道路にゴミが散乱していたり、少し怪しげた人たちが道路でたむろしていたり、「ここは危ないな」というのが感覚的にわかるようになります。
少し不安に思った人もいるかもしれませんが、危ない場所や時間を頭に入れておけば、過度に心配する必要はありません。せっかくの海外勤務なのですから、その国の生活をエンジョイしましょう。
今日はこれくらいにしておきましょう。ではまた。
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