前回「自分の市場価値を知る」という記事をお届けしました。ポイントは、これまでの職能給から職務給に変わってゆくことにより、若い人でも能力があれば活躍する機会が増えてゆくだろうという内容でした。一方、管理職を務めるビジネスパーソンはどうでしょうか。今回はこの点についてお話ししたいと思います。
管理職に求められる能力
このブログの読者の方にも、部長や課長といった管理職(マネージャ)になっているビジネスパーソンもいらっしゃると思います。管理職に求められる能力とは何でしょうか。一般的には、以下のようなことが考えられると思います。
- リーダーシップを発揮できる
- 大所高所から物事を見ることができる
- 的確な意思決定ができる
1については、組織を引っ張ってゆく力が必要であるということです。課長であれば20人〜30人、部長であれば50人以上の組織をまとめている人もいると思います。これだけの人数をリードする力が求められます。
2については、これまで経験からより広く高い視点から物事を見る必要があります。色々な業務を経験してきて身につく力だと思います。
3については、組織の方向性を出すものですからこれも重要な能力です。様々な情報を収集して、これまでの経験やビジョンに基づいて判断を下すことになります。
管理職の皆さん、いかがでしょうか?自信はありますか?
管理職としての能力は外部でも通用するか
前回の記事でお伝えしたように、これからは市場価値が物を言うようになります。前述のような管理職に求められる能力は、外部でも通用させる必要があります。リーダーシップ、広い視野、意思決定能力と言うのは、どこの会社でも必要とされるものですから、本当に力のある人はおそらく外部でも通用すると思います。
ただし、注意すべきことがあります。それは、管理職としての能力をどのようにして身につけてきたかということです。前回の記事でもお話しした通り、社内の基準で物事を考えていると、物事の本質を見失います。先ほどあげた管理職の能力についても、社内の基準で身につけていたとしたら少し脆いものになってしまう可能性があります。
例えばリーダーシップ。社内の基準がとにかく強力にグイグイ引っ張るタイプを評価するとしたら、部下の言うことを聞かない、場合によってはパワーハラスメントを働くような人が評価されているかもしれません。
大所高所から物を見ることについても、いわゆる評論家を重んじるような社内の基準があったとすると、現場のことが全くわかっていない人が評価されているかもしれません。
また意思決定についても、独断専行で行うような社内基準があるとすると、的確な意思決定ができるとは思えません。
やはり優れたマネージャというのは、市場価値を基準とした能力を有している人ということが言えると思います。
50代のビジネスパーソンの市場価値
さて、これまで管理職の市場価値について見てきました。日本企業の場合、管理職は40代、50代の場合が多いのではないかと思います。そこで50代のビジネスパーソンの市場価値について、少し違った視点で見てゆきたいと思います。
私もそうですが、50代を迎えるとそろそろ定年が見えてきます。定年後をどのように過ごすかということも、真剣に考えるようになります。しかし年功序列と終身雇用に守られて働いてきた50代のビジネスパーソンには、かなり不安を持っている人が多いのではないでしょうか。
経済コラムニストの大江英樹さんは、その著書「老後不安がなくなる定年男子の流儀」で以下のように述べています。
私はどこにでもいるごくありふれたサラリーマンで、特別な能力も経験もあったわけではありません。そんな私でも起業できたのですから、決して無理なことではないのです。
出典:大江英樹著「老後不安がなくなる定年男子の流儀」
ご存知の通り、大江さんは定年まで大手証券会社で勤めた後、半年間の再雇用期間を経て起業しています。今では著名な経済コラムニストとして活躍されています。そんな大江さんでも、ビジネスパーソンとして働いていた時には特別な能力も経験もなかったと言っているのです。
50代のビジネスパーソンの方々は、この文章を読んで安心するのではないでしょうか。大江さんは、「どんな人でも長い間会社勤めをしていれば何かしら得意なことを持っている」とも言っています。定年後のことを考えると、市場価値のことを大げさに考える必要もないのかもしれません。
一方で、大江さんは起業するにあたり大変な努力をされていますので、この点は付け加えておきたいと思います。
今日はこれくらいにしておきましょう。ではまた。
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コメント
こんにちは。tackmemoです。私は52歳で会社員をしております。自分で言うのもなんですが大手製造メーカー勤務です。組織が細分化され業務の棲み分けがはっきりしてしまったことで、自分の目の前のことしかわからない判断できないというような、小さな管理職が増えてしまったような感じです。昇進すると周囲への態度が変わる人もよくいます。所詮そんな人が管理職にあてられるのだから、それだけの組織なんだなと思ってしまいます。最近は大きい会社というのも考えものだなと感じています。