2019年7月に三井住友銀行と三菱UFJ銀行が、ATMの共同利用を開始すると発表しました。2019年9月22日から実際に共同利用が始まっています。
ニュースリリースの内容
当行のキャッシュカードをお持ちの個人のお客さまが、三井住友銀行の店舗外 ATMで「お引き出し」、「お振り込み」をご利用いただく際にお支払いただいていた他行 ATM 利用手数料を一部無料化することで、三井住友銀行の店舗外 ATM を当行の ATM ご利用時と同水準の手数料に改定します。加えて、これまでご利用いただけなかった「お預け入れ」の相互利用を開始します。
出典:三菱UFJ銀行ホームページ
2大メガバンクが、双方のATM利用を通常時間であれば無料にするという大胆な発表に驚きが走りました。利用者からすれば利便性が向上するので喜ばしいことですが、銀行からすればとても深刻な事態だろうと推測します。具体的な利用料は以下の通りです。
ATM は2019年3月現在、三菱UFJ銀行が1,626拠点、三井住友銀行が1,192拠点の合計2,818拠点あります。しかし共同利用開始後、両行が近接する一部拠点の廃止を検討していることもあわせて発表されています。
メガバンクの経営が厳しい
この発表は何を意味するのでしょうか?やはりメガバンクの経営が厳しいことは間違いありません。ここ2−3年で、店舗の統廃合や業務のRPA(ロボット)化による合理化が各メガバンクから発表されています。今回もATMを統合することによる合理化を、両行が行いたいという思惑が一致したものと考えられます。
支店を持たずに効率経営をしているネット銀行が次々と台頭してきており、メガバンクはこれまでのような支店に窓口を置くことや、自社のATMを設置することができなくなってきているのです。
ATMは本当に無くなるのか?
さて、ATMは本当に無くなるのでしょうか?私の答えは「ゼロにはならないが、かなり台数は減る」です。少し古い報道ですが、キャッシュレス化が進んでいる中国のデータがあります。過去5年間で、ATM新規設置台数が3分の1以下になったという実績です。
中国工商銀行の調べによると、昨年のATM取扱高は11兆8600億元(約192兆円)で、前年比10.6%の減少となった。減少となるのは過去5年で初めてという。また中国人民銀行(中央銀行)の調べでは、ATMの新規設置台数は2013年の10万4400台から昨年には3万6400台にまで大幅に減少している。
出典:SankeiBizホームページ
やはりキャッシュレス化が進展すると、現金が不要になりますから当然ATMの数も減るわけですね。中国での事例が物語っていると思います。日本でも、2019年10月の消費増税をきっかけにキャッシュレス化が進むと想定できます。その場合、日本でもATM台数が減ることは明らかですね。
現在の日本はATM王国と言えるでしょう。ほとんどのコンビニにATMが設置されていて、24時間現金を引き出すことができます。以前にもお伝えした通り、ATMの利便性が高い日本は今のところ現金至上主義ですが、徐々にキャッシュレス化が進むだろうと思います。そうすれば、街中に溢れているATMは段々数が減ってゆくことでしょう。
今日はこれくらいにしておきましょう。ではまた。
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