今回はビジネスパーソンの起業について考えてみたいと思います。
ビジネスパーソンの起業は何を意味するか
それではまず、ビジネスパーソンにとって起業するということが何を意味するかについて考えてみたいと思います。これに対する私自身の考えは、起業とは会社に縛られない生き方を選択することです。
これまでの日本のビジネスパーソンは、あまりにも会社に奉仕することのみを強いられてきたように思えて仕方がありません。このことは、日本社会に大きな弊害をもたらしてきたと考えています。以下の図をご覧ください。
これまで日本のビジネスパーソンは、長年会社に奉仕することを強いられてきました。このことによりビジネスパーソンは会社から雇用を保証されてきました。一方でその代償と引き換えに、会社に忠誠を誓う必要がありました。これは、戦後の経済成長を支えた日本型雇用モデルの考え方に他なりません。経済が大きく伸びている間は、このような日本型雇用モデルが機能してきました。
しかし一方で、その結果として自律できないビジネスパーソンが多くなってしまったのです。会社は雇用の保証をしてくれるわけですから、会社に忠誠を示していれば(大きな失敗をしない限りは)失業の心配もありませんし、給料も年々伸びてきました。こんな楽な仕事はありませんね。
ずっとぬるま湯に浸かり続けてきた多くの日本のビジネスパーソンは、外部に放り出されると一人では生きていけない人が多いのではないかと思います。残念ながら、これは会社にとってもビジネスパーソンにとっても極めて不幸なことだと言わざるを得ません。
起業とは自由になることか
これまで日本のビジネスパーソンが会社に縛られてきたという話をしましたが、自由になる方法はないのでしょうか。おそらく起業するということは、ある意味自由を得るこことだと言えると思います。先ほど述べたとおり、「会社に縛られない生き方を選択する」ということです。
ただし、それに伴う責任が生じることは明らかです。自由と責任は裏腹なものだからです。一番重要なことは、起業するビジネスパーソンには自律することを求められるということだと思います。これまでのように、会社に忠誠を誓っていれば会社が守ってくれるという世の中は終わっています。そのため、独り立ちして、自分をコントロールするということが求められるのです。
このように、起業するということが自由を実現できることだとしたら、なぜもっと多くの人が起業をしないのでしょうか。それは、起業がハードルの高いものだと捉えられているということだと思います。それはなぜでしょうか。
会社を辞めて起業することのリスク
なぜ起業はハードルが高いのか。それは、会社を辞めてしまうと収入が無くなるという不安が一番大きいからだと思います。人は先が見えないことに対して、とても不安になるという性質を持っています。これまで経験したことのない、起業ということに対して不安が大きくなるのも仕方がないと思います。
ところで皆さんは、起業というとどのようなイメージを持っているでしょうか。以下のようなイメージを持っている人が多いのではないでしょうか。
- 新しくラーメン屋を始める
- 可愛い雑貨を扱う店を始める
- 従業員を雇って新たなビジネスを模索する
それぞれ夢があってとてもいいことだと思います。しかし、少し冷静に考えてみてください。これまでラーメンを食べたことがあるけどラーメン屋をやったことのない人が、いきなりラーメン屋で成功できるでしょうか。可愛い雑貨を集めることが好きというだけで、いきなり新しく店を始めて成功できるでしょうか。これまで従業員を雇ったことのない人が、すぐに新しいビジネスを立ち上げられるでしょうか。
残念ながら答えはNoだと思います。これまで経験したことのない事で、いきなり成功するというのは正直とても難しいと思います。会社を辞めて起業するということは、先ほど述べた収入が無くなるということと同じくらい、あるいはもっと大きなリスクだと思います。
リスクの少ない起業とは何か
それでは、リスクの少ない起業とはどのようなものでしょうか。
まず会社が副業を認めているのであれば、会社を辞めてしまうのではなく副業から始めるのがいいというのが私の考えです。これにより、収入がなくなるというリスクを回避しつつ新しいことができます。新しい事業が軌道に乗ってから会社を辞めても遅くないと思うのです。
それ以外にも私が考えるリスクの少ない起業のポイントは、以下のようなものがあると思います。
- 規模を追わない
- お金をかけない
- 自分の強みを生かす
1については、初めから大きなものを狙わないで、地道に起業するという事です。
2については、1とも関連しますが大きな投資をしないという事です。起業というと、いきなり店や立派なオフィスを構えたり、綺麗なロゴや看板を作ったり、多くの従業員を雇ったり、というようなことを考えている人もいるかもしれません。しかしこれらは、起業が軌道に乗ってからやっても遅くありません。最初は小さな仕事から始めればよいのです。
3については、一番重要な点かもしれません。先ほど例で述べたような、ラーメン屋を始めたり、雑貨屋を始めるということが自分の強みかどうかを冷静に考える必要があります。
これら3つのポイントについて、とても参考になる本があります。それは田中祐一さんが書いた「僕たちは、地味な起業で食っていく。」です。私が上記の3つのポイントの考え方に到るまでに、大いに参考にしました。
まとめ
さて今回は、ビジネスパーソンの起業について考えてみました。最近は色々な働き方を選択できるようになってきていますが、副業を初めとした「会社としての規制緩和」は我々ビジネスパーソンにとって有利なものだと確信しています。
今回ご紹介したリスクの少ない起業について、まずは副業から始めるというのも一つの選択肢です。会社が副業を認めているのであれば、積極的に活用してみてはいかがでしょうか。
また、それに加えた3つのポイントをしっかりと意識していただき、スモールスタートで地道に進めるということも大切だと思っています。皆さんの成功を祈っています。
次回は、50歳以上の方の起業について考えてみたいと思っています。
今日はこれくらいにしておきましょう。ではまた。
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コメント
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