三菱UFJ銀行が口座維持手数料の導入を検討 | ビジネスパーソンのお金の話

またもや銀行業界で大きなニュースがありました。三菱UFJ銀行が口座維持手数料を導入検討しているというものです。日経新聞などで報道されていますのでご存知の方も多いと思いますが、今回はこの話をしたいと思います。

報道内容の確認
三菱UFJ銀行の口座維持に関する考え方
なぜ口座維持手数料を取るのか
他の銀行はどうなるのか
銀行を自分で選ぶ時代

報道内容の確認

最初に報道内容の確認をしたいと思います。日経新聞のWebサイトでは以下のように伝えています。

三菱UFJ銀行は2年間取引がない不稼働口座に手数料をかける検討に入った。新規開設分が対象で、2020年10月にも年1200円の口座管理手数料を導入する計画だ。
出典：日本経済新聞Webサイト

その他の報道内容を見てみるとポイントは以下のようになります。

2年間取引がない口座に手数料をかける
2020年10月頃に導入の見込み
口座維持手数料金額は年額1,200円
すでに口座を持っている預金者は対象とせず、新たな口座開設者が対象となる見込み
手数料を取り続けて残高がゼロになった場合は自動解約する

三菱UFJ銀行の口座維持に関する考え方

これらの報道に対して、三菱UFJ銀行は特にリリースを出していないようです。一方で、休眠口座に対しては「長期間使用していない預金等のお取扱いについて」として以下のような注意喚起を行なっています。

お預け入れいただいたまま、10年超出し入れがなく、お取引の動きのない状態になっている預金はございませんか。
当行では、このような預金も引き続きお預かりしています。預金通帳・証書とお取引印の確認など、所定の手続を経たうえで払い戻すことができますので、いま一度ご確認をお願いします。
出典：三菱UFJ銀行Webサイト

三菱UFJ銀行は特にコメントを出していませんが、おそらく複数の報道がされているため、来年秋には口座手数料を徴収するものと考えられます。

なぜ口座維持手数料を取るのか

これはやはり低金利状況が続いているからだと考えられます。メガバンクを含めた既存の銀行の経営は厳しくなっており、ロボット化による効率化やリストラを実施している最中です。

そんな中、少しでも収益にプラスになるような口座維持手数料を徴収するというのは自然の流れかもしれません。アメリカでは、この口座維持手数料は多くの銀行が導入しており、私がアメリカに住んでいた時に口座を持っていた2つの銀行はどちらも口座手数料を支払っていました。そのうちの一つの銀行は、毎月８ドルも支払っていましたので、年間1万円近くの負担になります。

ただ日本ではまだ一般的ではないので、預金者からの反発も予想できます。「銀行に預ければ利息が付いて増えるのは当たり前」という考えがあるからです。しかしながら、現在のメガバンクの普通預金金利は0.001%ですから、これまでの「銀行に預ければ増える」という常識は成り立たなくなり、「銀行に預けていると目減りする」ということになりかねません。

他の銀行はどうなるのか

もし三菱UFJ銀行が口座維持手数料の徴収に踏み切った場合は、メガバンクをはじめ他の銀行も追随すると思います。日本の銀行はほぼ横並びで事を進めることが多いので、「よその銀行が対応したらうちも」ということになるのは明らかです。

そうなってくると、銀行の選別が始まります。預金者は、より金利の良いところ、より手数料の安いところを選んで預金するようになるはずです。銀行間の競争が起きるわけですから、これは預金者である我々にとってはある意味いい流れかもしれません。

これまでのように、銀行はどこも同じという時代ではなくなるのです。さて、我々も自分で考えて、自律しなければいけませんね。

銀行を自分で選ぶ時代

私自身はメガバンクにはほとんど期待していません。これまでの成り行きで一部口座を維持していますが、今後口座維持手数料がかかったり、ATM手数料がかかったりする場合は、間違いなく口座の解約をします。それよりも金利の面で有利なネット銀行に切り替えてゆきます。すでに私はあおぞら銀行BANK支店や楽天銀行など、金利の良いネット銀行に資金をシフトし始めています。