日本人は有給休暇の日数が少ないと言われています。私もその通りだと思います。国や会社の制度の問題など色々な理由があると思いますが、私は日本人の考え方によるところが多いと考えています。今回はそんなことをつらつらとお話ししたいと思います。
日本人の有給休暇取得実態
旅行サイトで有名なエクスペディアが、「世界19ヶ国 有給休暇・国際比較調査2018」と言う調査をしています。エクスペディアは毎年この調査を実施しており、日本人の有給休暇に関して面白いことがわかってきます。
上のグラフを見てください。各国の有給休暇取得率を比較したものです。ブラジル、フランス、スペインなどが軒並み100%であるのに対して、日本はわずか50%しかありません。有給休暇を与えられても、半分しか消化していないということです。この数字は皆さんの感覚と合っているのではないでしょうか。多くの会社では、年間20日程度の有給休暇をもらえると思います。そのうち10日しか取っていないということになります。しかもエクスペディアによると、日本は3年連続で最下位だそうです。
エクスペディアは2008年からこの調査を行なっていますが、この11年間、日本が最下位でなかったのは2014年と2015年のみで、それ以外の9年間は堂々の（？）最下位です。
最近では、使わない有給休暇を買い取るという会社も出てきているようですが、これは本当にいい制度なのかどうかは私もわかりません。
日本人は少ない休みに対してどう考えているのか
それでは、我々日本人はこの少ない有給休暇取得についてどのように考えているのでしょうか。以下のグラフは休み不足と感じている人の割合を表したものです。
他の国と比べて明らかに有給休暇取得率が少ないのに、休みが足りないと感じている人は半分程度しかいません。残りの半分はこれで十分と思っているのです。これには驚きです。昔から日本人は勤勉だと言われていますが、ここまで仕事をしたいと考えているとはすごいですね。さらに次のグラフを見てみましょう。
これは、有給休暇の取得に罪悪感がある人の割合を示しています。やはり休みを取るということは、よくないと考えている人が半分以上いるということです。昔に比べれば、休みは取りやすくなったのではないかと思いますが、それでもヨーロッパ各国の20%代と比較すると日本人の苦悩が浮かんできます。エクスペディアも「日本人は世界一真面目？」と皮肉たっぷりの見出しをつけています。さらに追い討ちをかけるような調査が、以下のグラフです。
「自分はより多くの有給休暇をもらう権利がある」と回答した人の割合のグラフです。エクスペディアも「謙虚すぎる日本人！」とさらなる皮肉を言っています。ここまでくると、日本人は勤勉と言うよりもマゾヒストではないかと思ってしまいます。
これらの結果から、休みが少ないことに対する日本人の考えを整理してみると以下の通りです。
- 休みが足りないとは思っていない
- 休みを取ることに罪悪感を持っている
- もっと休みがほしいとは思っていない
休みに関する欧米人と日本人の考え方の違い
欧米人と日本人の有給休暇の考え方の違いについて、もう少し突っ込んで考えてみましょう。エクスペディアでは、以下のような調査も行なっています。
「出張に有給休暇をつけた経験がない人の割合」の調査というのは、なんとなくエクスペディアらしいという気がします。欧米人の場合は、仕事で出張すると有給休暇をくっつけて旅行を楽しむケースが多いと言えます。私の同僚も、海外出張をすると何日か有給休暇をくっつけてその土地の観光をしている人がいます。たまに「何しに行ってんねん？」なんて思ったりしますが、これは勤勉な？日本人のやっかみでしかありません。
面白いのは、海外出張に配偶者や子供を連れてくる人もいることです。彼らは臆せず「今度の出張の時には、ワイフと一緒に京都旅行にも出かける」なんて言っています。こんな時にも罪悪感が勝ってしまうという、日本人の哀しい性ですね。
他の記事でも触れましたが、やはり欧米人に比べて日本人は長期休暇は取りにくいようです。
まとめ
エクスペディアの興味深い調査のおかげで、色々なことがわかってきました。というより、これまで皆さんが思っていることが数字として突きつけられたと言った方がいいでしょう。
日本人の休暇の取り方はグローバルスタンダードに比べると、極めて特異だということです。私の考えでは、大いに日本人の考え方に影響されていると思っています。つまり、自分の主張をするよりも周りに忖度することです。奥ゆかしいと言ってしまえばそれまでですが、これからグローバルの舞台で戦ってゆく日本にとってそれが本当にいいことかどうかはもう少し考えてみる必要があるかもしれません。
今日はこれくらいにしておきましょう。ではまた。
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