2019年11月13日に、YahooとLINEの経営統合が検討されていることが明らかになりました。このニュースは日本中を駆け巡り、各メディアでトップニュースとして伝えられました。今回はこのニュースがスマホ決済に与える影響について考えてみたいと思います。
YahooとLINEの経営統合の内容
それではまずYahooとLINEの経営統合の中身を見てゆきましょう。
検索サービス「ヤフー」を展開するZホールディングス（HD）とLINEが経営統合に向けて最終調整に入った。LINEの対話アプリの利用者は約8千万人で、ヤフーのサービスは5千万人に上る。金融、小売りも手がける1億人規模のサービス基盤が誕生し、国内ネット産業の勢力図が大きく変わる。アジアを舞台に米国や中国のメガプラットフォーマーに対抗する。
出典：日本経済新聞Webサイト
この記事は、2019年11月13日に日経新聞が報じたものです。LINEの利用者8000万人とYahooの利用者5000万人が統合されると、ネット上に一大プラットフォームが形成されるという内容です。実際の経営統合形態は少し複雑ですので、以下の図を参照してください。
ご存知のようにLINEはメッセージアプリの最大手。Yahooはインターネット検索で多くのユーザーを持っています。それぞれネットという舞台はおなじですが若干ユーザーも異なるため、相乗効果が期待されています。
PayPayとLINE Payはどうなるか
さてここでは、スマホ決済に特化して見てゆきます。PayPayは国内ユーザー1900万人と言われており、スマホ決済ではダントツの利用者です。私の独断のランキングでも見事1位に輝いています。
一方、LINE PayはLINEの月間アクティブユーザー7,500万人のうち約３,000万人がLINE Payに登録していると発表しています。実際の利用者はそれほどいないと思いますが、それでもかなりの数のユーザーを有していることは事実でしょう。私の独断のランキングでも3位にランク付けしました。
Pay PayとLINE Payは間違いなく、今後のスマホ決済の中心となったゆくでしょう。
それでは、今回の経営統合によってこの2つのスマホ決済サービスはどうなるのでしょうか。私の推測では、当面は統合後も2つのサービスは並行して継続してゆくと思います。理由は、①サービス内容の統合を含めて利用者への影響が大きい、②統合のためのシステム対応に時間がかかる、という2点です。
ただ長期的に見ると、これら2つのサービスは統合されると思います。それぞれの良いところを生かして、新しいスマホ決済サービスが登場するのではないかと予測しています。
スマホ決済の行方はどうなるのか
この図は、以前にも紹介した国内キャッシュレスのカオスマップです。一番下段がいわゆる「スマホ決済」サービスですが、すでに乱立している状況です。セキュリティの問題によりセブンペイが無くなったのは、皆さんもすでにご存知の通りです。今後もこの業界では淘汰が進んでゆくと思います。
中国では、すでにAlipayとWeChat Payの2つ（図の右下）に絞られています。おそらく日本でも同様なことが起きて、弱いスマホ決済サービスは消えてゆくでしょう。
さらに今回のYahooとLINEの経営統合は、その動きに拍車をかけるものと思います。つまり、PayPayとLINE Payが同じ企業グループに入ることになり、将来統合されるとなると他のライバルたちも単独では生き残れない可能性が大きくなります。したがって、他のスマホ決済サービス同士の統合が進むと考えられるからです。今後も、例えば楽天ペイとd払いが統合する、といったような衝撃的な出来事が起こってくるかもしれません。
まとめ
今回は、YahooとLINEの経営統合がスマホ決済サービスに与える影響について考えてみました。いかがでしたか。
前述の通り、この業界では今後も大きなうねりが起こってくることは必須です。その中で、利用者の利便性や安全性については最優先に考えて欲しいと思っています。今はサービスの乱立状態で、カオスな状況になっていルため、各社がサービス向上に努力を重ねています。しかし寡占状態になってくると、利便性、安全性が置き去りにされるというリスクも孕んでいます。サービス提供者としては、この辺りを肝に命じて欲しいと思っています。
今日はこれくらいにしておきましょう。ではまた。
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