2020年1月23日に、メルカリがOrigamiを買収すると発表しました。つまりメルペイがOrigamiを傘下に入れたということになります。この買収はスマホ決済市場にどのようなインパクトがあるのでしょうか。今回はこの件について触れたいと思います。
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スマホ決済のカオスマップ
ます最初に国内のスマホ決済の状況について見てゆきましょう。上記は、クラウドキャストが作成した「国内キャッシュレス カオスマップ」の2019年6月版です。これは以前にもご紹介したもので、キャッシュレス決済の全体図がわかります。
メルカリが提供しているメルペイおよびOrigamiペイは、共にコード決済(スマホ決済)としてマップの左下に位置しています。(赤い点線で囲った箇所です。)残念ながら、この2つのサービスは上位に水を開けられている立場です。上位とはPayPay、楽天ペイ、LINEペイの3つのサービスです。
この3つのサービスのうち、PayPayとLINEペイは2019年11月にすでい経営統合を発表しています。3強のうちの2つが一つになるわけですから、これは大きなインパクトがあります。
一方でメルカリがOrigamiはどうでしょうか。双方共に市場でのプレゼンスは強くないため、弱者連合などと言われています。
今後もスマホ決済の再編は続くのか
答えはYesです。私が考える理由は以下の通りです。
- そもそもサービスの種類が多すぎる
- 中国の前例がある
- PayPayとLINEペイの統合がきっかけとなっている
1については、前述のカオスマップを見れば一目瞭然です。スマホ決済だけでも20を超えるサービスが乱立しています。世の中で話題になっている今だからこそ、色々なサービスを使ってもらえるかもしれませんが、そのうち消費者も飽きてきます。そうすると必然的に市場が淘汰されてきます。良いサービスだけが生き残るという市場の原理が働きます。
2については、以前にもお伝えした通りわかりやすい前例だと思います。スマホ決済の先進国である中国では、現在はAliPayとWeChatPayの2つしか生き残っていません。おそらく日本でも最終的には2〜3つのサービスに絞られてくると考えています。
3については、大きなインパクトでした。2019年11月に強者同士が繋がったのです。市場で強いもの同士が統合されると、下位にいるサービスはうかうかしていられません。今回のメルカリのOrigami買収が良い例ですが、下位のサービスは今後も統合を繰り返してゆくでしょう。
スマホ決済の再編で何が変わるのか
前述の通り、前回のPayPayとLINEペイの統合、および今回のメルカリのOrigami買収によって、今後のスマホ決済サービス市場は統合が進むと考えられます。それでは、この市場の再編に伴って何が変わるのでしょうか。我々利用者の立場でメリットとデメリットをまとめてみました。
スマホ決済の再編による利用者のメリット
一番考えられるのは、サービスの均一化です。これは大きなメリットだと思います。
現在は、多くのサービスが乱立しているため、我々利用者はスマホに複数のアプリを入れ、利用するたびに異なるアプリで決済をする必要があります。それが2〜3のサービスに絞られれば、スマホに入れておくアプリの数も最小限で済みます。人によっては、一つのアプリだけ入れておけばいいかもしれません。
私も現在4つのアプリを利用していますが、使える店、残高の多寡、あるいはキャンペーンの有無によってアプリを使い分けています。これはかなり煩雑で、「今回はどれだっけ?」などとレジの前で迷うこともしばしばです。
スマホ決済の再編による利用者のデメリット
最大のデメリットは、キャンペーンが少なくなることだと思います。今は利用者の囲い込みのために、各社が派手なキャンペーンを打ち出しています。いずれも赤字覚悟のキャンペーンです。将来の顧客を獲得するための、必要投資と考えているためです。読者の方の中にも、キャンペーンに動かされて各社のサービスを順番に利用しているという人がほとんどだと思います。(私もその一人です。)
しかし今後再編が進み、市場が寡占状態になったらどうでしょうか。当然、顧客の囲い込みは終わっているわけですから、今のような派手なキャンペーンは少なくなるはずです。競争相手が無くならない限り、キャンペーンも無くなることはないでしょうが、今のような「40%還元」といったものは少なくなってゆくと思います。
まとめ
さて、今回はメルカリがOrigamiを買収するということをきっかけに、今後のスマホ決済の市場再編や利用者への影響について考えてみました。いかがでしたか。
私自身、キャッシュレス派ですので、今後もスマホ決済を使い続けると思います。個人的にも今回のような再編は歓迎しています。先ほども述べたとおり、現在のサービスは数が多すぎるからです。一方で、使える店もまだまだ限られていますので、今後のスマホ決済の広がりに期待したいと思います。
今日はこれくらいにしておきましょう。ではまた。
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